レバノン映画「When Maryam spoke out」(2001)
イスラーム映画祭5で上映されたレバノン・ドイツ映画、「ハラール・ラブ(アンド・セックス)」(2015)のアサド・フーラードカール監督の作品。テーマは同じくムスリム女性の結婚と出産をめぐる問題だ。
ムスリムのマルヤムと夫のズィヤードは仲の良い夫婦だったが、結婚後3年たっても子どもが生まれない。医師の診察の結果、マルヤムは子どもが産めない体であることがわかる。
ズィヤードの母は離婚を迫り、マルヤムの母はインチキ呪術師のところにマルヤムを連れていき、マルヤムは心身ともにボロボロになっていく。養子に否定的な価値観のもと、夫婦に襲いかかる「子どもを産め」という圧力の中で、マルヤムとズィヤードの下した決断は…。
脚本もカメラも演出も何となく素人っぽく、決して洗練されたストーリーテリングではないのだが、最後の方は思わずもらい泣きしてしまった。不妊の問題を通して、アラブ・イスラーム世界で女性(と男性)が社会に何を要求されているのか、そしてその中で個人が幸福を追求できる道はあるのかを描こうとしている。
エンドロールでは、「隠れた宝」と呼ばれる言葉が繰り返し朗唱される。預言者ムハンマドが神の言葉として語ったとされるものである。
.کنت کنزاً مخفیاً فأحببت أن أعرف فخلقت الخلق لکی أعرف
(我は隠れた宝であった。そして我は、おのれを知らしめたく思った。そこで我は人間〔被造物)を創造した。我が認識されるように)
この朗唱は色々な意味で解釈できるが、映画のタイトルが「マルヤムが語った時」という意味なので、これまで語られなかった女性の苦しみを知らしめるためにこの映画を作った、という解釈も成り立つかな、と思った。

コメント
コメントを投稿