レバノン映画「Minerva」(2021)

 3日前に、レバノン映画「Heaven without people」の感想を書いたことをTwitterでつぶやいたら、何と監督ご本人からリツイートされてしまった。

 それで初めて知ったのだが、監督は今年、「Minerva」という短編ドキュメンタリー映画を制作されていた。7分と短い作品なので、早速見てみた。


 今からちょうど一年前の2020年8月4日早朝、レバノンで大規模な港湾爆発事故が発生する。そこから500メートル先に済んでいた69歳の女性、ミネルヴァは重傷を負い、入院した後、12日に亡くなった。

 どう考えても爆発事故の犠牲者なのだが、当局は彼女を遺族のリストの中に含めようとしない。息子のジョゼフは奮闘し、必要な書類を集めていく。皆が彼女を忘れないために…そんな物語である。

 とても静かな映画。黒い画面の中に、彼女の写真が一枚、また一枚と置かれていく。「爆発事故で200人以上の犠牲者が…」と私たちは簡単に言うけれど、その一人一人に家族がいて、今もずっと、死者を悼んでいる。当たり前だが忘れがちなこのことを、この映画は思い出させてくれる。編集がとぎすまされていて、短いけれど、いや、短いからこそ、哀しみが伝わってくる。

港湾事故から一年、多くの方に見ていただきたい作品だ。



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