愛あふれる人の四十九日
叔母の訃報が入ったのは6月26日の朝だった。
本当に突然の知らせで、電話を切ってからもしばらくは信じられなくて、床につっぷして号泣したのはだいぶたってからだった。
大好きな人だった。いつも私をかわいがってくれて、応援してくれて。愛にあふれた人だった。
逝き方ももう、見事というしかなくて。昼間にお墓参りに行って、おいしいご飯を食べて、夕飯に家族と家でお寿司を食べて、足りないからとうどんを作ったそうだ。その夜中、心臓が止まってしまった。誰も苦しめず、自分も苦しまず。従姉妹は、「最後にお母さんの手料理を食べられて良かった…」と言っていた。
今日はその叔母の四十九日の法要だった。お寺が遠いし台風だし、どうしようとも思ったが出かけた。
思えば私が字幕翻訳をした最初の作品が映画館で上映された時、叔母は何時間もかけて遠方からわざわざ来てくれたのだ。でも満席でチケットが買えなかった、と後でわかって、慌てる私に「いいのよいいのよ-」と明るく言ってくれた。思い出して泣きそうになりながら、雨の中を歩いた。
法要は三十分くらいで終了。これから納骨だという。風雨が強まる中、お寺から少し離れた市民霊園に、従兄弟たちが車で連れて行ってくれた。
「あ!へび!へび!大きいへびがいる!」突然、従兄弟が叫んだ。道路脇にへびがいたらしい。「え?どれどれ?」探したけれどもうわからない。「この辺は田舎だからね-」「へび、轢かれちゃうんだよね-」車内で従兄弟たちがのんびり話している。
霊園についたら、もう大嵐。お坊さんにさしかけるパラソルが飛びそう。ビニール傘はおちょこ。なんかコメディ映画のワンシーンみたい。大慌てでお墓に手を合わせる。叔母さん、いつまでも大好きだよ。愛してるよ。もっと会いたかったし、言いたかった。ありがとう。
帰りは従兄弟の奥さんが近くの駅まで車で送ってくれた。そこから電車を乗り継ぎさらに2時間。自宅にたどり着いた時、ようやく雨が上がった。
亡くなった人、生きている人。みんなが愛おしく感じられる日だった。生きている限り、私も精一杯生きなくちゃ。ああ、あと、へび。へびも車に轢かれるなよ。
愛あふれる人の四十九日は、こんな感じだった。
Rest In Peace...
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